やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「珍しいですね?真木さん、こういうこと好きそうなのに?」
私は、不思議に思ってたずねた。
「えっ?好きだけど、今回は興味ないだけ。鮫田組ってやってることは外道だけど、少人数の組だから、何か興味わかないんだよな。」
つまらなそうに真木ヒナタが答えた。
「そんなものなんですか?」
「そんなもんなんだよ。・・・・それよりも、小夜、大和から渡された物だしな。」
真木ヒナタが、私の目を見つめる。
私は、屋敷で組長から渡された拳銃を真木ヒナタに渡した。
「知っていたんですか?」
「ああ・・・・大和の奴は、今、自分のことと置き換えて小夜のことを考えてるからな。・・・・まともな状態じゃないんだよ。小夜にこんな物渡すなんて。」
「・・・・車の中で龍一さんから聞きました。」
「そうか・・・小夜は、もし、鮫田組が、両親を殺した相手だとしたら、この拳銃で撃ち殺したいと思うか?」
真木ヒナタが、私が、真木ヒナタに渡した拳銃を私の視線の先に見せる。