やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・んっ?何か、変な匂いしない?」
縄を解きながら、ポチにきいた。
「・・・・仕方がないじゃないですか!だって・・・だって・・・・誰も縄ほどいてくれないんですもん。」
ポチが悲しそうに泣き始めた。
「・・・まさか・・・ポチさん。」
「・・・どうせアッシは、お漏らし野郎ですよ~!」
ポチは、縄が解けるとすぐに、そう叫びながら部屋を飛び出て、どこかに走り去っていった。
「・・・さすがに・・・悲惨。」
私は、ひとり部屋に残され、独り言をつぶやく。
しかし、気にしてもしょうがないので、ポチのことは忘れて、さっさと部屋に戻って眠りについた。