やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第20節:レナの帰国
「はじめまして、小夜です。」
屋敷の部屋の一室で外国人女性に挨拶をする私。
「はじめまして。私、レナ。よろしくね。」
外国人女性は、流暢な日本語を操り、私を笑顔で見る。
「日本語上手なんですね?」
「そう?それならよかった。私、今、アメリカの大学で日本語専攻してるから。」
「アメリカの方なんですか?」
「ううん。ヒナタお兄ちゃんと同じロシアよ。」
この時、私は、ママから聞いた話を思い出した。
「あっ!ロシアで真木さんと一緒に暮らしていたレナさんですか?」
「そうだけど?ヒナタお兄ちゃんから話聞いてるの?」
私は、レナにママから話を聞いたことを伝える。
「ママ、元気だった?アメリカに渡る時に色々と準備手伝ってもらったから。」
レナは、懐かしそうに話す。