やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「何か話し声がしたけど、みんなで集まって何してんの?・・・俺の誕生日のための会議か?」
「組長の誕生日は、まだ、半年以上先ですよ。」
執事がすかさず突っ込む。
「えっ、でも、それ以外に俺をノケモノにして集まること想像つかないけど・・・・もしかして、俺、嫌われてんの?」
悲しそうな表情でみんなを見渡す組長。
その組長の視線が、レナがいる一点で止まる。
「あ~!レナじゃないか!何、どうしたんだよ?それにしても、大きくなって・・・。」
組長は、うれしそうにレナに駆け寄ると、軽々とレナを子供にやる高い、高いの要領で持ち上げ、振り回す。
「もう、やめてよ、大和さん。私、もう、大学生だよ。」
レナは、言葉とは裏腹にうれしそうな表情で組長に話しかけた。
組長は、レナをゆっくりと床へとおろし、まじまじと見る。
「・・・・本当に大きくなって・・・・向こうでは、うまくやってんのか?いじめられてない?あっ、もし、いじめられてんなら、俺に言えよ。すぐに、アメリカに飛んでいじめっ子を撃ち殺してやるからな。」
勝手に話が飛んで行く組長。