やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・いえ、短期間でここまで出来るようになれば、十分ですよ。・・・・明日は、化粧と着物の着付けは、プロの先生にやっていただきますので問題ないでしょう。」
「本当ですか?よかったぁ~。」
執事の言葉に安心の表情になる私。
そんな私に、たまたま通りかかった組長が声をかけてきた。
「おう、小夜。うまくできてるじゃねぇ~か。」
組長も執事と同じように私の周りを回りながら見る。
「そうですか?」
満面の笑みの私。
「おう、十分だよ。・・・・でも、ところで、さっきの龍一の言葉、たまたま聞こえてきたんだけどさ・・・・明日、プロの先生にやってもらうってことは・・・小夜の化粧と着付けは、失格ってことじゃねぇ?」
そういい残すと、組長はさっさとどこかに歩いていった。
凍りつく私の笑顔。
無言で執事を見る私。