やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「ん、何か、レナが、茶道やりたいっていうからな。」
めんどくさそうに真木ヒナタが答える。
「そうなんですか?」
執事が、レナを見た。
「はい。私、アメリカで日本の文化を勉強しているんで、是非、本場の茶道を経験させていただきたくて。・・・お邪魔でしたか?」
少し不安そうに執事と私を見るレナ。
「・・・そんなことありませんよね、小夜さん?」
執事が私を見る。
「はい。全然、大丈夫です。」
私は、笑顔でレナを見た。
それに、茶道に疎い人がいてくれた方が、私が1週間勉強してきたことが生きるしと、性格の悪いことを思う私。
「・・・・何か、今の小夜の笑顔・・・いつもと違い、腹黒さが含まれていたような・・・」
勘のいい真木ヒナタが、疑いの眼差しで私を見る。