やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・・・十分ですよ。」
微妙な笑顔の執事。
「まだまだ精進が必要ですね。」
オブラートに包まずにはっきりと言うお茶の先生。
私は、思いっきり肩を落とす。
「あ、さ、小夜さん、実際に見せる機会があるかどうかもわからない事ですから、あまり気にせずに。さあ、つ、次に行きましょう。」
執事が、落ち込む私に声をかけてきた。
「・・・はい。役にたたない部下ですいません。」
「そ、そんなことないですよ、小夜さん。小夜さんは、私の誇るべき部下ですよ。」
必死に私を励ます執事。
「そうだぞ。小夜は、立派だぞ。」
珍しく執事とともに私を励ます真木ヒナタ。