やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「だって・・・龍一さんが、せっかく茶道や華道や着付けの先生を呼んでくださったのに・・・私ったら・・・落ちこぼれで・・・」



私は、必死に涙がこぼれそうになるのを我慢する。



「そんなことありませんよ。今回は、小夜さんが、無理して、私達の作戦に乗ってくれたのですから、感謝することはあっても、落ちこぼれだなんて、誰も思っていませんよ。」



執事は、立ち止まり、私の両手を握ると真剣な表情で私を見つめた。



「龍一さん・・・・」



私も、執事を見つめる。



「おい、落ちこぼれ小夜のための準備出来たぞ。」



そんな状況の私と執事に真木ヒナタが、話しかけてきた。



「・・・・落ちこぼれ小夜って・・・・」



私は、真木ヒナタの言った言葉を繰り返す。



「・・・・小夜さん、人間的に落ちこぼれている人の言うことを気にしなくてもいいですよ。」



再び、落ち込みそうな私に、執事が素早くフォローを入れる。

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