やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第22節:予行演習
部屋に入ると、そこには、レナが、ひとりイスに座っていた。
「・・・レナさんだけですか?」
執事が、真木ヒナタにたずねる。
「えっ、俺とレナと龍一がいれば十分だろ?向こうも、そんなに大勢で来るわけじゃないだろうし。」
「まあ、そうですが・・・あまり少ないと小夜さんも緊張感がなくて練習にならないんじゃないかと。」
心配そうに私を見る執事。
「私は、どんな時でも一生懸命やります。」
私は、今日一日のことがあるから、少しでも執事にいいところを見せようと必死にアピールする。
「小夜さん・・・小夜さんがどんな時でも一生懸命やってくれているのは、知っていますよ。」
執事は、甘い微笑みを浮かべて私を見つめる。