やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・台本通りにやってくださいとお願いしたはずですが?」
感情のない声で執事が、ポチにたずねた。
「えっ、それは、わかってますけど、ほら・・・アッシみたいな一流の役者になると、勝手に体が動くっていうか。アドリブは、天才役者の性っていうか。・・・アッシは、アッシの才能が怖いです。」
完全に自分に陶酔しきっているポチの言葉。
ボコッ!!
バキッ!!
ドコッ!!
そして、いつも通り、執事に殴られて、部屋の外へと無理やり放りだされる。
「どうやら、生ゴミが、混じっていたようですね。」
ポチを部屋から投げ出し、スッキリとした表情の執事。
「あの~・・・小汚いとか、野良猫っていうのは?」
私は、念のため、執事に聞いてみた。