やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「小夜さん、私が書いた台本にそんな言葉があるはずはありませんよ。すべて、あの生ゴミの戯言です。・・・少しでも、生ゴミを信じた私が、馬鹿でした。」
一生の不覚という表情の執事。
「あ、いえ、ポチさんが勝手に言ったことなら、別に気にしませんから。」
私は、落ち込む執事に声をかける。
「なあ、なあ、龍一?」
真木ヒナタが、執事に声をかけてきた。
「何ですか、ヒナタさん?」
執事は、真木ヒナタを見る。
「何回も台本見てんだけどさ。俺のセリフ、見当たらないんだけど?」
「・・・ヒナタさん、こういう席では、あまり、付き添いの方は、話しませんので。」
「え~、俺、セリフないの嫌だな~!」
本当に嫌そうな顔で執事に訴えかける真木ヒナタ。