やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「せっかく、小夜さんが、お飲み物入れてくださったのだから、いただきましょう。」
私が座るのを待って、お祖母さん役の真木ヒナタが、みんなに声をかける。
「そうだな。」
組長役のサブがこたえて、みんなコップを手に持ち、飲み始める。
その瞬間、組長役のサブが、飲んだ物を思いっきり執事に向けて吹き出した。
ブ~・・・・・ゴホッゴホッゴホッ!
咳き込むサブ。
「・・・どういうつもりですか?」
サブの吹き出した飲み物で顔を濡らされた執事が、仁王様のような表情で立ち上がる。
「・・・す、すびばぜん。・・・で、でも、ちがぶんでずよ。こ、これ・・・」
舌を出し、ハァ、ハァ言いながら、サブは、執事に自分の飲んだ飲み物を差し出した。
執事は、サブから渡された飲み物を一口飲んでみる。
「・・・・・これは、わさび・・・ですね。」
執事が、顔をしかめながら、つぶやく。