やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「この真木ヒナタをなめてもらっては困るぜ。天下御免の悪戯小僧の真木ヒナタ様が大人しくしているとでも思ったのかい?」
時代劇風の言い回しの真木ヒナタ。
「・・・いい度胸ですね。」
執事の目が光る。
「ふっ、いつまでも、俺が龍一にやられっぱなしと思うなよ。それ!」
真木ヒナタが、その瞬間にポケットから白い粉の入った袋を取り出し、部屋中に撒き散らす。
一気に視界が白く染まる室内。
「ハッハッハッハッ、サラバ!」
白く染まって室内に真木ヒナタの声が響き、ドアを開けて出て行く音がした。
「待ちなさい!!」
執事の怒りに満ち満ちた声がその後に続き、再び部屋を出て行く音がした。
しばらくすると、部屋の中の白い粉による視界の悪さがなおり、普通の視界へと戻った。
「・・・・なんだったんですか?」
サブを見る私。