やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「初めまして。私、笹山組の幹部をやらせていただいています、草壁蓮二といいます。」



「私は、や、大和さんの婚約者の三河小夜です。宜しくお願い致します。」



私は、練習した通りの挨拶をする。



草壁蓮二は、組長と同じくらいの長身。



外見は、まったく、ヤクザには見えず、スッキリと爽やかな顔立ちをしていた。



細いメガネをつけていて、いわゆる、インテリ風だった。



「これは、ご丁寧にありがとうございます。」



草壁蓮二は、私にも丁寧に頭を下げた。



「これ、いつまで、私を狭い車の中で待たせる気だい?」



2台目のベンツの中から声が聞こえる。



草壁蓮二は、その声を聞いて、すぐに、私の前から離れ、2台目のベンツの後部座席のドアを開ける。



「あ~・・・懐かしい門構えだね。」



中から、着物を着た初老の女性が降りてきた。

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