やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「おう、祖母さん、まだ、生きてたのか?」
組長がぶっきらぼうに声をかける。
「残念ながらね。アタシは、大和が死ぬまでは死なないことにしてるからね。」
初老の女性は、意地の悪そうな笑みを浮かべて組長に言い返す。
「できるもんなら、やってみろってんだ。」
組長も同じような意地の悪い笑顔を浮かべて言い返す。
「嫌だね、こんな可愛げのない孫は。それに比べて・・・」
初老の女性は、組長の前で止まらずにそのまま執事の前に行く。
「相変わらずのいい男だね、アンタは。どうだい、アタシの男になる決心は、ついたかい?」
初老の女性が、執事に笑いかける。
「・・・・静代さんは、冗談ばかりですね。それよりも、お元気そうで安心致しました。」
執事は、初老の女性の言葉を軽く受け流す。