やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「御婆様、葵の大和様をそんな風にいうのは、止めてください!」
葵が、静代に文句を言った。
「ところで、俺、お前に会ったことあったっけ?」
組長が、葵を見る。
組長の視線を受けて、ほのかに赤く染まる葵の頬。
「はい。1年ほど前に、大和様が、華木の家にいらっしゃった時にお会いしましたわ。その時、葵は、大和様は、葵の運命の人と確信しましたの!」
組長からやや目を逸らしながら、話す葵。
「1年前・・・確かに華木の家には、行ったけどなぁ~・・・・どこかであったか?俺の記憶にはないけどなぁ~・・・龍一、お前、覚えてる?」
葵の言葉に考え込む組長。
「申し訳ございませんが、私の記憶にもございません。」
いつも以上に丁寧に答える執事。
「・・・だよなぁ~・・・なぁ、葵って言ったっけ?葵は、俺とどこで会ったんだ?」
組長は、葵を見る。