やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「これは、どういう事ですの!」
いきなり立ち上がる葵。
その葵の表情は、怒りに満ち満ちていた。
「なんだよ、葵。ちょっと、ふざけただけだろ?」
組長が、葵を落ち着かせようと声をかける。
「ちょっとふざけただけで、大和様は、婚約者の他に愛人まで囲っているのですか!」
組長を睨みつける葵。
「・・・・?愛人って?」
意味の分からない組長、呆然と葵を見る。
「まぁ!この期に及んでとぼけるなんて、そこに愛人が立っているではありませんか!」
レナを指差す葵。
「・・・・・いや、彼女は愛人じゃないぞ。」
「まぁ、まだお惚けになるとは!・・・・このままでは、私の大和様が、ダメ人間になってしまいますわ!」
ひとり暴走を始める葵。
(・・・ダメ人間になるんじゃなくて、半分以上ダメ人間で構成されているんだけど・・・)
組長の横顔を見て、少し悪いことを考える私。