やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「勝負よ!!!!」
「えっ?何ですか?」
いきなり葵に言葉を投げつけられて、戸惑う私。
「きっと大和様が、こんな人間になったのは、周りにいる婚約者と愛人が悪いからよ!だから、あなた達、性悪女から大和様と取り返します!!」
「・・・・・・」
私とレナは、呆然とお互い見つめ合う。
「あの~・・・だから、勘違いじゃ・・・・」
私がここまで言いかけたところで真木ヒナタとポチが入ってきた。
「ちょっと待ったぁ~!」
威勢のいい、真木ヒナタの言葉。
「愛を求めて幾千里、求め求められ、男と女、真実の愛は、勝負の果てにある。・・・・このラブ&レース、真木さんとアッシが取り仕切らせていただきます。」
ポチは、部屋にいる全員を見渡す。
「この葵、華木の人間として、勝負から逃げるわけにはいきません。大和様をかけて勝負よ、性悪女ども!!」
葵は、私とレナを睨みつける。
私とレナは、カオスになった状況についていけずに、ただ、呆然とするしかなかった。