やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・・いいのですか?」
今にも真木ヒナタに怒りの鉄拳を振り下ろそうとしていた執事は、驚いたような表情で静代を見た。
「ああ、構わないさ。別にたいしたことを決めるわけでもないしね。」
「・・・そうですか。」
不安そうな表情の執事。
真木ヒナタは、その執事を勝ち誇った表情で見上げている。
「それでは、ヒナタさんと組長と静代様以外の方は、別室にてお待ち下さい。」
真木ヒナタの騒動で部屋を出ていなかった人に声をかける執事。
そんな執事に今度はポチが近づいていき、話しかけようとする。
しかし、今度は、執事は、話を一切聞かずに、首根っこを掴むと、ドアまで連れて行き、部屋の外に放り投げた。
「何で、アッシの話は、聞いてくれないんですか!!!」
床に叩きつけられながら、執事に文句を言うポチ。