やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「それは、初耳だね?」
静代が葵を見る。
「何を言ってらっしゃいますの、御婆様。華木家には、フランスから連れてきた三ツ星シェフがいますから、負けるはずがありませんわ!」
一堂唖然とした表情で葵を見る。
「・・・・はぁ~・・・・葵、料理をつくるのは、葵本人だよ。シェフを使ったら勝負する意味がないだろ?」
静代は、悲しそうなものを見る目で葵を見た。
「・・・・私ですか?」
やっと理解できたというような葵の表情。
「そう、葵本人が作るんだよ。」
静代が答える。
静代の答えに下を向き、静かになる葵。
「料理勝負の日は、準備もあるだろうから、明後日の夜とするよ。」
「あの~それでルールは、何かあるんですか?」
私は、細かいことがまったくわからないので静代に聞いた。