やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「組長・・・ありがとうございます。早速、熊さんに聞いてみます。」
私は、笑顔で組長に頭を下げて、部屋を出て行こうとする。
「あ、ちょっと待てよ、小夜。」
急いで部屋を出て行こうとする私を呼び止める組長。
「何ですか?」
振り返る私。
「・・・俺は、椿 麗子さんの様な胸が好きだな。」
なぜか堂々と胸を張り、言い切る組長。
「・・・・・・・・・・・・エロオヤジ・・・」
小声でつぶやく私。
「んっ?何?何て言ったの、小夜?」
聞き取れなかった組長が、私に何度も聞いて来たが、私は、それには答えずに、さっさと部屋を出て行った。
私が部屋のドアを閉めるときに、執事が、組長に、「組長・・・もう少し空気読みましょうね・・・」と悲しげな声をかけているのが聞こえてきた。