やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「何ですか!その目は!・・・せっかく、この策士ポチが、小夜姉さんのために、とっておきの策を思いついたというのに・・・」



悪そうな顔を私に向けるポチ。



「・・・・・それは、どんな策ですか?」



念のために聞いてみる私。



「しょうがないですね。教えてあげましょう!・・・・小夜姉さん以外の二人も、この後、組の料理番である熊さんに組長の好きな料理を聞きに来ると思うんですよ。ですから、その時に、熊さんに組長の嫌いな物を答えてもらえれば・・・・労せずして、小夜姉さんの勝ちとなるわけですよ。」



自信満々の表情のポチ。



「・・・・・・それって卑怯じゃないですか?」



怪しいものを見る目つきでポチを見る私。



「何言ってるんですか!卑怯?・・・卑怯なんて言葉は、敗者の戯言ですよ。勝負に勝つための策に卑怯などという言葉は当てはまりません。」



自信満々に胸を張るポチ。

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