やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第6節:予想外
「・・・・・・・・やっと、まともな味噌汁が出来てきましたね。」
ポチが疲れた口調でつぶやく。
すでに時刻は、夜20時を回っていた。
なぜ、私が、味噌汁ひとつ作るのに、こんなに時間がかかったかというのは、熊さんの教え方に問題があったからだった。
とにかく熊さんの教え方は、感覚だった。
「・・・これぐらいいれて・・・・・・できあがり・・・・・・」
「・・・・・・く、熊さん、これぐらいのところが一番聞きたいんだけど?」
「・・・・・これぐらいは・・・・・これぐらい。」
困ったような熊さんの表情。
そして、それよりも困った表情の私。