やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・・でも・・・・小夜・・・作ったもの・・・・俺・・・美味しい・・・」
ポチと目を合わせずに言う熊さん。
「それは、そうかも知れませんけど、普通の人は、こんな水っぽいスープを味噌汁とは、言わないんですよ。・・・・もし、本当の事を小夜姉さんに言ってあげなかったら、本番で恥をかくのは、小夜姉さんですよ。」
熊さんを攻め立てるポチ。
「・・・・・俺・・・悪かった・・・・」
熊さんが、ポチに謝る。
私は、すでにここまでくれば、二人が何を言い争っているのかわかった。
「もう、いいですよ、熊さんもポチさんも・・・・・・まずかったんでしょ?私の作った味噌汁が・・・・」
熊さんとポチは、私の言葉を聞いて、大きくこれでもかというくらいうなずいた。
二人のうなずきを見て落ち込む私。