やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「それで、何しに来たんですか?」
私は、普通の表情に戻り、サブにたずねた。
「ああ、今までお嬢様のわがままに振り回されてて、まともに夕食取れなかったから、何か食い物ないかと思ってさ。」
私の表情が、いつもの表情に戻り、安心した様子のサブが答える。
「あっ、それだったら、私の作った味噌汁がありますよ!」
私は、作った味噌汁を器に入れ、サブに差し出す。
「へぇ~、小夜、意外と料理できるんだ。」
驚いたような表情のサブ。
「・・・・・そ、それは・・・私だって、一応、女ですよ。」
今までの奮闘をあえてサブには伝えない私。
「おっ、おいしいよ、この味噌汁。」
私に笑いかけるサブ。