やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「なるほど。確かに松坂牛には、愛情込めたスーパーの牛肉では、勝てないかもしれませんね。でも、普通の松坂牛に愛情込めた松坂牛は、勝てると思いませんか?」
私を見て微笑む執事。
「・・・・・思います。」
「でしょう。小夜さんも、高級食材を取り寄せればいいのですよ。」
「でも、・・・・・高級食材って高いんじゃ・・・・」
「何を言ってるのですか?組の今後が懸かった勝負なのですから、組のお金で払いますから、関係ありませんよ。」
「龍一さん・・・・」
うれしくて、執事に抱きつく私。
私の顔がちょうど執事の胸の辺りに当たる。
執事からは、心地よい香りがした。