やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・・もしかして、まずかったですか?」
恐る恐る、真木ヒナタにたずねる私。
「・・・・・いや、別に。・・・・たいしたことじゃないよ。」
明らかにたいしたことある表情で答える真木ヒナタ。
「・・・・すいませんでした。」
「何で謝るんだよ、小夜?・・・・・俺、もう寝るわ。」
真木ヒナタは、いつもの元気がなく、暗い表情で自分の部屋の方へと歩き始めた。
「おやすみなさい。」
私は、真木ヒナタの後ろ姿に声をかけたが、真木ヒナタが振り返ることはなかった。
私も、まったく状況がわからなかったけど、そこに立っていても仕方ないので、自分の部屋へと戻るために歩き始める。
こうして、後味の悪さを含んだ状態で、私の一日が終わった。