やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第7節:料理勝負前日
翌日、夕方に近くなった頃に頼んでおいた食材が届いた。
厨房で料理の練習をしていた私に執事が持って来てくれた。
「小夜さん、頼んでおいた高級食材が届きましたよ。」
「あっ、龍一さん、ありがとうございます。」
執事は、厨房のテーブルの上にダンボールを開け、中に入っているものを取り出す。
「見てください、小夜さん。・・・・この味噌が、長野県の山奥深くでひっそりと作られている知る人ぞ知る高級味噌です。」
恍惚の表情を浮かべる執事。
「・・・・長野県の山奥で?・・・・それって凄いんですか?」
どう凄いのかまったくわからない私が執事を見る。
「当然です。値段、味ともに国内最高級の味噌です。しかも、その値段以上に生産数が少ないために手に入れるのは至難の業です。」
少し興奮したような様子の執事。