やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「ついでに言うと、その北海道のケイジは・・・」
「りゅ、龍一さん、もう、大丈夫です。」
頭の中が混乱している私は、それ以上の混乱を避けるために執事が話すのをさえぎった。
「・・・・・そうですね。小夜さんは、明日の準備もありますから、これくらいにしておきましょう。」
混乱している様子の私を笑顔で見つめながら執事が言った。
「他の食材は、明日届きますか?」
私は、味噌以外の食材について執事に尋ねる。
「はい。明日の朝には、届く予定です。それまでは、代用品で練習しておいてください。・・・・頑張ってくださいね、小夜さん。」
天使の微笑を私に向ける執事。
「はい、頑張ります。」
私は、出来る限りの真剣な表情を作って、その微笑にこたえた。