やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・良かったですね、小夜さん。問題児の引き受け先が見つかって。」
ポチと葵を見て、執事が私に言った。
「はい。これで、余計な心配しなくてすみます。」
私は、安心した笑顔で執事を見た。
「今のうちに強がっておくといいですわ。それでは、葵は、疲れたので少し休みます。」
何もしないで葵は、厨房で出て行った。
サブは、厨房を出て行くときに私に目で頑張れと送ってくる。
ポチは、相変わらずの見下した笑顔で私を見てきた。
「・・・・小夜さん、この勝負に勝ったら、ポチさんは捨ててしまいましょう。」
ポチの出て行く時の表情を見た執事が、冷たい表情でつぶやく。
「・・・そうですね。」
私も執事同様つめたい表情でこたえた。