やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第8節:いざ、勝負!
勝負の日、当日、午前中の朝10時に私とレナと葵は、部屋に集められた。
目の前には、組長と執事が立っている。
「それでは、皆さん、お揃いになられましたね。組長お願い致します。」
私達を見回した後で、組長を見る執事。
「あっ?・・・・・何だったっけ?」
まだ眠たそうな目で執事を見る組長。
「・・・・勝負開始の挨拶ですよ。」
組長の耳元でささやく執事。
「何の勝負?」
どう見ても寝ぼけている組長。
「・・・・・え~それでは、本日、夜19時が、料理勝負の時間ですので、その時間までに料理を仕上げてください。なお、試食の順番は、最初が小夜さん、次に葵様、最後がレナさんとさせていただきます。あと、料理は、必ず本人だけで行ってください。他人が手伝ったり、口を出したりしたら、失格とします。というわけで、本日、厨房に入ることが出来るのも、小夜さんと葵様とレナさんだけとなります。それでは、御健闘を祈ります。」
組長を放っておいて執事が、私達に勝負の決まりごとを告げた。