やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第10節:第2戦の種目
「な~っ・・・・とくいきませんわ!!」
執事の勝ち名乗りを聞いた後で、葵が立ち上がり、抗議する。
「?・・・納得いかないとは、どういうことでしょうか?」
執事が葵を見た。
「納得するわけないでしょう!この葵が、あれほどの高級食材を使っておきながら、負けるはずがありません!」
味噌汁の中にメロンやマンゴーをカニや松坂牛と一緒に入れておいた人のセリフとは思えない言葉を葵は、堂々と胸を張って吐いた。
当然、一堂、呆れた表情で葵を見つめる。
「・・・・・・といわれましても、レナさんに入れたのは、静代様も含まれておりますので、イカサマというのはないと思うのですが・・・」
あえて葵の料理には触れずに話す執事。
「うぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・そうだとしても、葵は、納得できません!皆さんが、その料理を選んだ理由を教えてください!」
必死に食い下がる葵。