やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「私は、小夜さんの味噌汁の味が絶品でしたので、小夜さんに入れさせていただきました。」
執事が一瞬、私に微笑みながら、葵に答えた。
「俺はな・・・・・やっぱ、肉だろ、肉!葵の闇なべには、でっかいステーキ肉が入ってたからな!だから、俺は、葵!」
真木ヒナタが、まったく褒め言葉になっていない投票理由をうれしそうに話す。
「・・・・・・・あれは、味噌汁です。」
葵は、小さな声で真木ヒナタに言い返すが、小さい声すぎて、真木ヒナタには、届かなかった。
「アタシはね・・・・まぁ~、小夜の味噌汁も十分美味しかったんだけどね。・・・・・う~ん、まぁ~、曾孫は・・・・ハーフの方が、カッコよくなる確率高いからね。レナが嫁いでくれた方が曾孫のためにもいいと思ってね。」
料理とは、まったく関係ない投票理由の静代。
(さすが組長の御祖母さん・・・)
私は、その選考理由になぜか納得した。
しかし、私以外の人は、呆れた様子で静代を見ている。