やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「俺も、確かに、小夜の味噌汁のうまさに、ちょっと迷ったんだけどな。・・・・でも、これって夕食だろ?朝食なら間違いなく、小夜の方だけど、夕食で小夜の献立はないだろ?だから、レナ。」
(あっ!)
組長の言葉で私は気づいた。
組長が味噌汁つけろといったのは、朝食であって、夕食ではないという事に。
熊さんに聞くときに、詳しく説明しなかったから、熊さんは、組長に言われたことを思い出して、私に伝えただけ。
(・・・・・やっちゃったぁ~・・・・)
私は、酷く後悔した。
特に、この料理のために高額をはたいてくれた執事に申し訳がたたない。
私は、落ち込み、うつむく。
「何でほとんどの方が、葵の料理のコメントをしないのですか!」
ここまで来て、まだ、食い下がる葵。