やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「葵・・・はっきり言って、お前の作ってきた料理は、料理にもなってない。まずいんだよ。」
静代が、葵にはっきりと言った。
「・・・・そ、そんなわけありませんわ!だって・・・・だって・・・・葵は、日本中から高級食材を集めたんです。まずいはずがありません!」
今にも泣きそうな葵。
「ふぅ~・・・葵、勘違いしちゃいけないよ。いくら高級食材を集めようが、料理する人が、ダメなら、まずくなるんだよ。しかも、葵の料理には、小夜とレナの料理とは違い、誰かに食べさせたいという心も抜けてるからね。はっきりいって、最低の料理だよ。」
容赦ない静代の言葉。
「葵様、大丈夫ですか?」
葵の心配をした椿 麗子が葵に声をかける。
「・・・平気です。」
今にも涙がこぼれてきそうな目で葵が強がった。