やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「そして、そこで、龍一と小夜がキスをすると・・・」
見つめ合っていた私と執事は、その声を聞いて、驚いて横を見ると、そこには、ビデオカメラを構えた真木ヒナタが立っていた。
反射的に離れる私と執事。
「な、何してるんですか、真木さん!」
焦って、いつもより高い声で真木ヒナタに迫る私。
「何って・・・・パパラッチ?ポチに聞いたんだけどさ、他人の秘密を撮れば、お金になるっていうから、早速、龍一の弱みを探そうと思ってつけてたんだよ。」
悪びれる様子は、まったくなく真木ヒナタが答える。
「私に弱みなどありません。」
先ほどとは違い、平静を取り戻し、自信満々に答える執事。
「・・・・それじゃ、このビデオ、みんなに見せてもいいよね?」
真木ヒナタが、あくどい笑顔を浮かべる。
「・・・・・ヒナタさん、来月のお小遣いアップしてあげましょうか?」
取引を持ちかける執事。