やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「そして、そこで、龍一と小夜がキスをすると・・・」



見つめ合っていた私と執事は、その声を聞いて、驚いて横を見ると、そこには、ビデオカメラを構えた真木ヒナタが立っていた。



反射的に離れる私と執事。



「な、何してるんですか、真木さん!」



焦って、いつもより高い声で真木ヒナタに迫る私。



「何って・・・・パパラッチ?ポチに聞いたんだけどさ、他人の秘密を撮れば、お金になるっていうから、早速、龍一の弱みを探そうと思ってつけてたんだよ。」



悪びれる様子は、まったくなく真木ヒナタが答える。



「私に弱みなどありません。」



先ほどとは違い、平静を取り戻し、自信満々に答える執事。



「・・・・それじゃ、このビデオ、みんなに見せてもいいよね?」



真木ヒナタが、あくどい笑顔を浮かべる。



「・・・・・ヒナタさん、来月のお小遣いアップしてあげましょうか?」



取引を持ちかける執事。

< 331 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop