やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「・・・教えてくれたら、さらに1万円追加しましょう。」



「なんだ、早く言ってくれよ。よし、今からすぐ、ポチを捕まえに行こう!俺も手伝うからさ!」



真木ヒナタにとって、1万円の前では、ポチの命など軽いものだった。



「それでは、小夜さん、明日の障害物競走頑張ってくださいね。」



私に声をかけると、真木ヒナタと2人で私の部屋を足早に出て行った。



「・・・・・・・・・・ポチさん・・・・本当に死んじゃうかも・・・」



ほんの少しだけ、ポチの今からのことを考えるとかわいそうになった。



でも、よく考えたら、私を裏切って葵についたポチの心配をするのも意味がないことに気づく。



「・・・・ポチさんはどうでもいいけど・・・・真木さんは・・・何でいつも、あんなにいい場面で現れるんだろう・・・はぁ~。」



私は、真木ヒナタの行動を恨めしく思う。

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