やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・賭けって?」
私は、真木ヒナタを見る。
「えっ、だから、誰が1位になるのか、賭けがあるんだよ。」
私を見ずに真木ヒナタが答えた。
「・・・・初耳ですけど?」
「当たり前だろ。今、初めて教えたんだから。」
真木ヒナタの問いに何か釈然としない気分になる私。
「組長の花嫁を決める障害物レースなのに、賭けなんかしてもいいんですか?」
「大丈夫だろ?だって、大和も賭けてたし。」
真木ヒナタの言葉で私は、テント内の組長を見る。
「・・・・んっ?何?俺の顔に何かついてる?」
組長が私の視線に気づき、私を見る。
「念のために聞きますけど、組長は誰に賭けたんですか?」
「えっ、俺か?悩んだんだけどな・・・ここは、年齢からしてレナがいちばんじゃないかと。だから、レナに賭けたよ。小夜は、誰が来ると思う?」
真面目な表情で聞きかえしてくる組長。