やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・・それを私に聞くんですか?」
呆れた表情で組長を見る私。
「小夜さん、こちらにいたのですか。もうすぐレースが始まりますから、付いて来て下さい。」
後ろから、執事が私に声をかけてきた。
「あっ!龍一さん、聞いてくださいよ!組長と真木さん、この障害物レースで賭けをしてるんですよ!」
すぐさま、執事に告げ口する私。
「小夜、今回は、龍一も賭けてるから、告げ口しても無駄だよ。」
真木ヒナタが私を見る。
「龍一さんも賭けてるんですか!」
私は、驚いた表情で執事を見た。
「はい。安心してください。小夜さんに高額賭けておきましたから。」
満面の笑みで私を見つめる執事。
「馬鹿だな、龍一。小夜、走るの苦手だって言ってたぞ。」
真木ヒナタが、執事をにやけながら見る。