やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第3節:勝負
「いつ来ても、この部屋には何にもないな。」
真木ヒナタが、あきれた様子で部屋を見回す。
「・・・すいません。」
サブは、押入れの中からゲームを探して、取り出していた。
「入りますよ。」
部屋の入り口が開き、執事と大きなテレビを抱えた組員2人が入ってきた。
「あっ!すいません。すぐに手伝います。」
サブが、テレビを運んでくれている組員を手伝う。
「龍一・・・部屋に合わない大きさのテレビ運んで来ちゃったな・・・・」
真木ヒナタが、テレビを見てつぶやく。
「私も思ったのですが、今、屋敷の中で使ってないテレビは、これしかなかったんですよ。」
執事が、少し申し訳なさそうに真木ヒナタを見た。
「確かに、これだと壁がテレビになっちゃいますね。」
私も、あまりのテレビの大きさに愕然としてつぶやく。
組員2人とサブが、テレビを設置する。
テレビの設置は、すぐに終わり、2人の組員は帰っていった。
その後で、サブが、テレビにゲーム機をつなぐ。