やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「任せとけ!」
サブは、一瞬、私を見て、返事をして、再び、葵を見た。
「残念ですわ。」
葵は、サブに向け、借り物で得た拳銃を構える。
「・・・・・・・・・これ、ありなんですか?」
拳銃を向けられて、動きの止まるサブ。
「素直にどいてくだされば、死ぬこともなかったでしょうに・・・」
引き金に力を入れようとする葵。
「ま、ま、待ってください。参りました。どうぞ、通ってください。」
私にかけた言葉とは違い、躊躇なく、葵に道を譲るサブ。
「サブさんの馬鹿~!」
思わず、叫ぶ私。
「だって、無理だって!!!本気だもん、葵様!!!」
泣きそうな顔で私を見るサブ。
後ろを見ると、ようやくレナも日本刀を手に入れ、こちらへと走ってきていた。