やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第15節:まさかの・・・
「障害物レースの1位は・・・・・・・・レナでした!!!」
スピーカーを通して、グランドに響き渡る真木ヒナタの声。
私と葵は、その声を2メートル程度の深さがある落とし穴の中で聞いた。
しかも、ご丁寧に、落とし穴の中には、水が50センチ程度入れてあった。
おかげで、私と葵は、全身びしょぬれ。
「・・・・・何ですの・・・これは?」
葵が私の横で呆然とつぶやく。
私はといえば、誰がやったかは、想像に難しくなかったので、呆然とすることはなかったけど、勝たなければいけなかった勝負に負けて、どうすればいいかわからずに、やや混乱状態だった。
落とし穴の上から、梯子が入れられる。
私と葵は、その梯子を使い、落とし穴の上に上がった。
執事が、私と葵にバスタオルを差し出す。