やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「わかった。俺も男だ!1週間後に俺、結婚しちゃうんで、よろしく!!」
組長の絶叫。
その宣言を聞いて、ざわめく一同。
「わかりましたわ。式場と時間は、後ほど知らせてください。葵も勝負で負けた以上、素直にお二人の仲を祝福させていただきますわ。」
予想に反して、潔い葵。
「御婆さま、帰りましょう。」
葵は、それだけ言うと、さっさとグランドを後にした。
「まぁ、葵も納得したようだから、アタシも帰るよ。今回は、迷惑かけたね。・・・・あっ、アタシも1週間後の式には出席させてもらうからね。」
そういい残して、静代もグランドを後にした。
「・・・・組長・・・本当に結婚しちゃうんですか?」
私は、隣に立っていた執事に聞く。
「・・・・参りましたね。・・・・これでは、大和が本当に結婚するしかなくなりました・・・・」
執事の表情は、先ほどとは違い、非常に困った表情になっていた。
「組長、本当に結婚するんだ・・・・・」
私は、朝礼台の上に立つ組長とレナを見つめてつぶやく。
(・・・・真木さんのことは、どうするんだろ?)
朝礼台の上で作った笑顔を振りまくレナを見て、胸の奥に何かつっかえるような思いを抱いていた。