やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「あっ、そうだ、龍一さん、私、葵様とロビーで話があるんで、ちょっと出てきます。」
執事に声をかける。
「葵様と小夜さんが・・・?・・・式の開始には遅れないようにお願いしますね。あと30分もしたら、教会での式が始まりますから。」
「わかりました。」
私は、不思議そうな表情をする執事から離れて、葵とロビーのソファーに向う。
「ところで、作戦は、大丈夫ですの?」
ロビーのソファーに腰を下ろすとすぐに、葵が、私に聞いてきた。
「はい。もう、仕込みは終わっています。ところで、葵様の方のお連れの方達は、・・・・大丈夫ですか?」
私も葵に聞き返す。
「それは、心配に及びません。葵の言う事と聞く方しか連れてきていませんから。」
私を見る葵。
「そうですか・・・よかった。」
葵の返事を聞いて安心する私。
「・・・ところで、本当に大丈夫ですの?」
葵の表情が、少し不安そうに変わる。