やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
時間が戻って、花嫁勝負が終わった翌日。
私は、今までどおり、執事見習いとして、龍一さんと一緒の仕事に戻っていた。
花嫁勝負が終わって、変わったことといえば、屋敷に私の部屋が出来たことだった。
泊り込みのために使っていた部屋をそのまま、私の部屋として使用できるようになった。
朝食の時間、いつものようにドタバタしながら準備を終え、みんなが揃うのを待っていると、執事が私に声をかけてきた。
「小夜さん、レナさんがまだ、来てませんので、寝ていたら起こして、朝食に来るように伝えてください。」
「かしこまりました。」
私は、執事に言われたとおり、すぐに、部屋にレナを起こしに向う。
トンットンッ
レナの部屋を2度ノックする。
「・・・・・・・はい、どうぞ。」
少しして返事があり、私は、レナの部屋に入った。
「レナさん、起きてらっしゃいますか?」
私は、ドアを開け、部屋の中を覗きこむ。
レナは、鏡台の前でボォーッと座っていた。