やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「どうしたんですか?体調でも悪いんですか?」



私は、レナに声をかけた。



「・・・・いえ・・・・そうじゃなくて・・・・私、本当に結婚するんだなって思うと・・・」



レナは、私に苦笑いしながら返答する。



「・・・・・もしかして、結婚するのイヤなんじゃないんですか?」



私は、思い切ってレナに聞いてみた。



「えっ・・・そうではないんですけど、いきなりのことで、気持ちの整理がつかないっていうか・・・・あっ、大和さんが、嫌いとかじゃないんですよ。・・・むしろ、大和さんは好きですし・・・それに結婚したら、ヒナタお兄ちゃんの近くにいることができるし・・・」



レナの表情は暗いまま。



「・・・・レナさん・・・真木さんのことが好きなんですね?」



さらに思い切って切り出す私。



「・・・・・・・・はい。好きですよ。私は、ずっと、ヒナタお兄ちゃんが好きです。・・・・でも、ヒナタお兄ちゃんは、違うみたいだし。・・・それなら、大和さんと結婚して、少しでもヒナタお兄ちゃんの近くにいれる方がいいのかななんて思ったりして・・・・・・・・・こんなこと言ってたら、大和さんに悪いですね。」



レナは、無理やり作った笑いを私へと向ける。



私は、その笑顔が痛々しかった。

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