やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
10分後、サブと何故か、ポチも一緒に私の部屋にやってきた。
「・・・何でポチさんまでいるんですか?」
冷たい目でポチを見る私。
「イヤだなぁ~。小夜姉さん、アッシは、小夜姉さんの一番の部下ですよ。小夜姉さんのためなら、命でも投げ出す覚悟です。」
あからさまに私にゴマをするポチ。
「・・・部下、やめたんじゃなかったですか?」
冷たい目のまま、ポチを見続ける。
「何を言ってるんですか!あれは、向こうをスパイしてただけですよ。」
顔一杯に汗を浮かべて、言い訳するポチ。
「そのわりに、ひとつの情報ももたらされませんでしたけど・・・・というか、こちらの情報が筒抜けだったような気がするんですど?」
私の的確は言葉。
「それは、ほら、なんていうか、敵を騙すには、まず、味方からっていうでしょ?」
「ポチさんがやったのは、味方を裏切っただけですけどね。」
サブも冷たい目でポチを見た。