やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「組長、せっかくですから、私と写真撮りませんか?」
私は、なるべく違和感ないように話しかける。
「んっ、しょうがねぇ~な!小夜も、今日の俺の一世一代の晴れ姿を写真に写したいのか。いいぞ!さぁ、撮れ!」
ナルシストっぽいポーズを決める組長。
「・・・・・組長、私と一緒に写るんですよ?・・・・・何で私が、組長だけの写真を撮らないといけないんですか?」
無表情で組長に突っ込む私。
「えっ、何だよ。早く言えよ。てっきり、小夜は、俺のファンかと思ったじゃねぇ~か。」
「違います。」
即断する私。
「・・・・・せめてもう少し柔らかい口調で否定してくれたらいいのに。」
悲しそうな組長。
「それは、もう、いいですから、早く、写真撮りましょう。・・・って言っても、この部屋の中には、私と組長以外いないし・・・外で誰か探してきますね。」
時間が迫っていることもあり、私は、急いで、作戦通りの行動をとる。
「おう、急げよ、小夜。式の時間になるから。」
何も知らない組長が、のん気に私に声をかけてきた。