やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
教会に入り、執事の横に行く私。
途中で葵が私を見てきたが、私が、首を横に振るのを見て、残念そうにうなだれた。
「心配しましたよ。遅かったですね?」
執事が小声で声をかけてきた。
「・・・申し訳ありません。」
策が破れて、落ち込む私には、それしか返事が出てこなかった。
いよいよ、教会での結婚式が始まった。
緊張した面持ちで組長が、教会に入ってきて、神父様の前で、花嫁が入ってくるのを待つ。
普通、この時、花嫁をエスコートして入ってくるのは、花嫁の父親。
しかし、レナに父親はいないので、今回は、その花嫁の父親役を真木ヒナタがつとめる予定になっている。
教会のドアが開き、花嫁がエスコートされて入ってきた。