やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「口を大きく開けろ!」
「・・・?はい、わかりました。」
サブは、不審そうな顔をしたが、幹部の真木ヒナタに逆らえるはずもない。
サブは、言われたとおり、真木ヒナタの前で大きく口を開けた。
そして、真木ヒナタは、その口の中に食べかけのアイスを突っ込んだ。
「ウグゥッ!」
サブが苦しそうにうめく。
真木ヒナタは、そんなサブをほおっておいて、執事を見て、一言。
「・・・サブ殺す?」
「・・・何でそうなるんですか?」
「サブ、アイス食べてるじゃん。」
「・・・もういいですから、せめて静かにしておいてくださいね。・・・サブさんも自分の場所に戻っていいですよ。」
執事は、あきれた表情で真木ヒナタに言い聞かせる。
「りょうはいしはした。」
サブは、口にアイスを突っ込まれたまま、執事に頭を下げ、末席に戻っていった。